路線バス運転士になった元ウェディングプランナーの乗務日誌

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路線バス運転士こーくんのブログ

悪いのは運転士だけじゃない「仮眠室で寝坊した高速バス」の話

先日、yahooニュースを開くと

『バス運転手が仮眠室で眠り込み
乗客が8時間閉じ込められる』

『バス運転手が“寝坊”で乗客閉じ込め』

『高速バス運転手が仮眠し「寝坊」
車内に乗客閉じ込め』

『体調崩した運転手、勝手に「熟睡」
…高速バスの乗客8時間閉じ込め』

と言う、気になるタイトルを見つけたので
すぐにチェック。

概要としては、

夜行バスで高速道を走行中、
体調不良による仮眠のために
予定外のSAで仮眠したらそのまま熟睡。

運転士は床下のスペースで仮眠していたため
早朝になって「運転士がいない」と
乗客からバス会社や警察に連絡が入り発覚。

本来、仮眠前や出発時に営業所に報告する
社内ルールになっていたが、
運転士も営業所も報告と確認を怠ったことが
事態の発見が遅れた要因とのこと。

こんな感じのニュースです。

正直、運転席すぐ後ろの座席が運転士用の
休憩スペースだったら乗客も気がついて
声をかけることができたと思いますが、
床下スペースは完全に隔離されていますから
乗客も「運転士がいない!?」と異変に
気が付いたのが早朝になったわけですね。

ちなみに、運転士用の休憩スペースとは
床下にあるトランクの一部がカプセルホテル
のような仕様になっており、
運転士が仮眠できる設備のことです。

その見た目から通称「棺桶」なんて
呼ばれていますが…

さて、私も転回場でうたた寝をしたとき
アラームのバイブに気が付かず
ハッと目が覚めたら出発1分前だった!

なんてヒヤリの経験がありますので
今回の運転士の寝坊は理解できますね。

恐らく、仮眠する前にアラームはセット
していたでしょうから、本人の自覚以上に
体調が優れなかったのでしょう。

ただ、今回のニュースを見ると
電話連絡をせず勝手に仮眠し寝坊した
運転士が悪いように書かれていますが
個人的には電話連絡がないことに
異変を感じなかった運行管理側にも問題が
あるように思えます。

と言うのも、別の記事では…

行路上、3時間の仮眠休憩が設定されていた。
また、仮眠前や出発時は会社に報告することに
なっていたそうです。

そうなると

「運行管理者は所定の休憩地から出発する際、
電話連絡が無いことに気が付かなかったの?」

と言うことにもなるわけです。

恐らく、休憩時や出発時の電話連絡は
今回のような寝坊を防止するために
行われていた対策だと思いますが、
それが機能しなかったわけですよね。

だとすると、運行管理側もバックアップ
しきれなかったわけなので

「運転士だけが悪者になる記事はどうかな?」

と、思うわけです。

(もしかしたら、電話連絡のルール自体が
形骸化していたかも?)

もちろん、連絡せず寝坊してしまったことは
いけないことには違いありませんが
今回の件で運転士だけに責任がいくような
ことがないことを願っています。

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