路線バス運転士になった元ウェディングプランナーの乗務日誌

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路線バス運転士こーくんのブログ

「ドアを閉めます!」…ってドアが閉まらない話

とあるターミナルに着車させるとスルスルとバスに近寄る車いすの影。

いつものように、椅子をたたみ、固定用のベルトを用意しスロープを後扉にセッティングします。

ちなみに、どのバスも車いすを固定するベルトは同じタイプなのですが、唯一異なるのがスロープのタイプです。

私の営業所に在籍するバスは、収納箱にあるスロープ板を扉にセッティングする「仮設式」が多いのですが、他には、扉の真下に収納されているスロープ板を引き出す「引き出し式」、エレベーターのように昇降する「リフトタイプ」、床を反転させる「反転式」などもあります。

さて、今回の話題は車椅子にまつわる話しではなく、ちょっとした車両トラブルのお話。

車椅子のお客様をとあるバス停で降車させ、しばらく走行するとバス停で待っている人影が。

「お待たせいたしました」とアナウンスを入れてドアを開け、「ドアを閉めます」をスイッチを閉にしたのですがドアは全く動作しません。

(…あれ!?)

もう一度、スイッチを開閉したのですがドアは無反応!

この手のパターンで考えられるのは、センサーを人や荷物が遮り閉まらないケースが多いのですが、閑散とした車内、ドア付近に人影はありません。

(まさか!?)

「しばらくお待ちください」とアナウンスを入れて、ドアの横に収納されているスロープ板を確認しにいきます。

収納箱を開けてスロープを取り出し、「ガチャン!」と勢いよく押し込み箱を閉めます。

そして、ドアスイッチを閉にすると「プ~♪」と何事もなかったかのようにドアが閉まります。

つまり、スロープの収納が中途半端だったわけですね。

もっとも、私的には「ちゃんと収納したのに!」とご機嫌ナナメ。

実は、路線バスにはスロープを出したまま走行できないように保安装置が設置されているんですね。

例えば、今回のような仮設式の場合…

収納箱(上図)の丸印あたりにスロープが収納されているかを判定するスイッチが設置されています。

収納され、このスイッチが押されているときはドアは正常に作動しますが、スロープを使用していたり、きちんと収納されておらずスイッチが押されていない場合はドアが閉まらないように設計されているんです。

まぁ、こう言ったことを知らないと、車庫に電話で「ドアが閉まらないんです~」と救援を要請することになり、大幅な遅延に繋がってしまうので運転士はこのようなシステムにも精通してなければいけないわけですね。

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