路線バス運転士になった元ウェディングプランナーの乗務日誌

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路線バス運転士こーくんのブログ

「左折時一旦停止」に対する意見は否定的なものが多いですが…

路線バスイメージ

一部のバス事業者やトラック事業者で取りいれられている「左折時の一旦停止」をどう思いますか?

個人の肌感覚ですが、恐らくドライバーは「追突しそうになった」「身勝手すぎる」「うっとうしい」など批判的な意見が多いのに対して、歩行者の立場からすると「安心できる」「全車そうすればいいのに」と好意的な意見が多いような気がします。

まず、左折そのものですが、みなさんが思っている以上にバスの左折は危険(と言うより怖い)です。死角の他、夜間フロントガラスなどへの映り込み、雨天時の乱反射など”確認条件”がマイカーより悪いですから左折時一旦停止のルールがなくても慎重にハンドルを切ります。この構造や条件の違いによる左折の危険性は理解して欲しいですね。

個人的には左折時に車外カメラの映像が運転席のモニターに表示されるクラリオンの「SurroundEye -サラウンドアイ-(リンク)」を全車に導入して欲しいと思っているのですがなかなか…

まぁ、このような事情があるにせよ昼夜問わず左折時に一旦停止することには賛否両論あるでしょうから、ここでは左折時一旦停止を取り巻く運転士事情を書いてみようと思います。

実際、この制度を運用している某社の運転士に話を聞いてみました。まぁ、他社線が乗り入れる転回場などではこういうことが話のネタになりますし、同業他社の転職が多い業界ですから、このあたりの事情は入手しやすいですからね。

まず、左折時の一旦停止導入については現場の反発がかなり強かったそうですが、本社上層部の決定により仕方なく実施しているそうです(やっぱり…)。

「上が決めたことだから…」ここまではビジネスの世界ではよくある話ですが、続きがあり、その会社では、歩道橋で横断歩道がない大きい交差点や、セパレートタイプ(矢印信号)の交差点でもそのルールが適応されるそうです。

さすがに、セパレートタイプの交差点で一旦停止されては後続車はたまったものではないのですが、そのプレッシャーも運転士は感じているので”申し訳ない感”を感じるそうです。しかし、ルールを守らないと下車勤務などのペナルティもあるそうですから、周囲の車、会社のルールの板挟みにあってストレスを感じる人も多いとか…

「わからなくはないけど、ちょっとやりすぎ(セパレートでも一旦停止することや違反によるペナルティ)かな…」と言うのがその方の意見でした。

現在、左折時一旦停止は法律で定められたわけでもなく、また日本の交通文化に定着していない行為であるだけに、頭でわかっていても馴染まないのが正直なところです。今後これらの行動が先駆けとなって文化が定着するのか、ルールが修正されるのか、自然消滅するのか、注目されます。

しかし、左折時の悲惨な事故があるのも現実です。実際、私の知人が左折時に大型車に巻き込まれ亡くなっていますからその危険性を十分理解しているつもりです。

横断歩道は歩行者にとって“聖域”のような存在ですから、左折時一旦停止のルールに関わらず歩行者保護に心がけたいものですし、交差点以外の横断歩道に対する一般車の意識も向上して欲しいとも思います。

逆に、歩行者も”ながらスマホ”など自ら危険を招く行為は辞めてほしいことは求めたいですね。

何にせよ、事故を起こしてしまってからでは遅いですから…

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