路線バス運転士になった元ウェディングプランナーの乗務日誌

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路線バス運転士こーくんのブログ

なぜ、観光バスや路線バスには「メインスイッチ」があるの?

「意外に」と言うと失礼かもしれませんが、系統設定器(方向幕)・車内放送の機器・スイッチ群・プレヒーターなど、バスの設備に関する記事って結構人気があるんですよね。最近は業界事情や乗務日誌などを中心に書いていたので、今日は久々にバスの設備について書いてみようと思います。

では、今日の主役を紹介しましょう。

今日の設備は「メインスイッチ」です!

メインスイッチの役割とは

ご覧のようにスイッチには「バッテリー」の記号が示されているのですが、恐らく、この記事を読んでメインスイッチの存在を知った方も多いかもしれません。

確かに乗用車では見たことないですよね。

しかも、このスイッチが装着されているのは観光バスや路線バスで、トラックやマイクロバスには設置されていません(車種や年式によっては装着されてたものもあるらしい)ので、レアなスイッチと言えるのではないでしょうか。

メインスイッチの役割とは?

では、メインスイッチとはどんなスイッチなのでしょう?

答えは、バスの電気系統とバッテリーをつなぐ回路のスイッチ(家電製品で言うところの”主電源”)です。

主電源ですので、このスイッチがOFFになっていると室内灯・クラクション・放送設備・ヘッドライトなどは一切機能しません。それどころかキーを回してもACC(アクセサリー)・エンジンは始動しません。一応、ハザードや扉など必要最低限の電気系統はメインスイッチに関係なく動作するようになっています。

余談ですが、マイクロバスを中心に乗務していた人が大型バスに乗ってエンジンキーを回すと「あれっ? 始動しない? なぜ?」とメインスイッチの存在に気が付かないと言うことは結構ある話ですね。

それにしても、なぜメインスイッチがあるのでしょう?

取扱説明書に書かれているわけではないので、このあたりは先輩の話や推測によるのですが、恐らく最大の理由は「バッテリー上がり対策」です。

先程も書いたようにバスには放送設備や室内灯などバッテリーを使用する電装品が多くあります。乗務を終えたらすべてのスイッチをOFFにしてバスを離れるのですが、もしどこかのスイッチを切るのを忘れていると、翌日バッテリーが上がってる可能性がありますよね。

実際、始業点検でメインスイッチを入れると「マイクのスイッチ入れっぱなしじゃん!」と言うようなことはよくある話です。ちなみに強者になると室内灯やエアコンのスイッチも入れっぱなしです…(苦笑)

では、「キーをACCにしたら電装品が始動するようにしたら?」と思われる方もいるかもしれませんが、これだとキーをACCにした瞬間に過大の負荷をバッテリーにかけることになってしまいますのでキー連動は不向きと言えます。

また、キーを持って運転席を離れるときに電装品がOFFになってしまうのも困りますから、バッテリー上がりの防止とキーに関係なく電装品を個別操作するためにはメインスイッチが一番実用的と言うわけです。

と、今日はバス特有のメインスイッチについての紹介でしたが、理由は推測による部分も大きいのであくまで参考のスタンスで読んでくださいね。

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