11May
自社路線、コミュニティバスなど路線バス運転士が乗務する路線は様々です。
乗務員の運用形態は事業者や営業所によって異なりますが、私の営業所では基本的に全乗務員がどの路線も乗務できるように教育を行っています。
「この人はこの路線しか乗務できない」なんてことがあると運用に支障を来しますからね。
さて、今日はそんな数多い路線の中でも一二を争う「遅れる行路」でした。
ちなみに「行路」というのは運転士の一日の行程のことなのですが、「絶対折り返しに間に合わない」と言う行路が複数存在し今日はそのハズレ行路。
案の定、遅れが増していき最大10分遅れ。
ある便では終点の一つ前のバス停を通過するときに反対側のバス停を見ると待っている人が…
この反対側のバス停で待っている人というのが、折り返した私のバスに乗ることになるのですが、既にそのバス停の通過時刻を過ぎています。
「早く折り返してよ!」と言わんばかりの視線を感じましたが、私はまだ終点にたどり着けず。トホホ…
(まぁ、こんなことこの行路では日常茶飯事ですが…)
さて、遅れているとき会社は「遅れても気にせず安全運転で!」と運転士に言うものの、人である以上時間はやっぱり気になりますよね。
運転士になった頃はそれが運転に表れた(雑な運転)かもしれませんが、今は「時間より事故のほうが怖い」の感覚が大きいのでなるべく「悟りの境地」での運転を心がけています。
なので、遅れている今日もバス停の手前に車が止まっていても「駐車車両がありますので、少し離れて停車します!」とアナウンスを入れてその車のことは無視。
二車線の道路も「入りたければ入っていいよー」くらい車間に余裕を持って運転します。
では、なぜ最近「悟りの境地」を意識しているのか?
それは事故も去ることながら会社への不満もあるんですよね。
と言うのも、このハズレ行路はここ数年ダイヤ改正や行路変更が実施されておらず、他の運転士も「絶対に間に合わない」と指摘しているものの、なかなか会社は動いてくれません。
転職当時はあまり気にならなかったのですが、運転士歴を積み重ねていくとこう言ったことが会社への不満になっていくものです。
なので、時間を取り戻すことばかり意識して事故や運行ミスを起こすと自分が損をするだけですから、遅れたときは…
『遅れてご迷惑をお掛け致します。私たち運転士もダイヤの修正を会社にお願いしておりますが、なかなか動いてくれませんのでこのダイヤを組んだ人に文句を言ってください。』
と、すべてを会社の責任にするアナウンスを『想像しながら』(←ここ大事)運転しています。
そして、車庫に戻って他の運転士と愚痴話に花を咲かせる感じですね。
まぁ、実際には「遅れてご迷惑をお掛け致します。」までしか言えませんが、この路線のダイヤや行路が見直されるのはいつのことになるのやら…