路線バス運転士になった元ウェディングプランナーの乗務日誌

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路線バス運転士こーくんのブログ

昔話、路線バスの無線から怒号が聞こえてきた!?

先日、新人の頃にお世話になった師匠と営業所で顔を合わせました。

バス業界って体育会系な気質があり、指導してくれた先輩のことを「師匠」と呼ぶことが多いですね。もっとも、事業者や営業所によって社風が異なりますので、バス業界全体が体育会系とは言えませんが、個人的には「師匠」という呼び方はしっくりします。

ちなみに、私の営業所は「体育会系レベル2(MAXは10)」と言ったところですね。

さて、現在は他の営業所で活躍している師匠ですが、指導してもらっていたころは同業他社時代の武勇伝やエピソードもたくさん聞かせてもらいました。

今日はそんな師匠の同業他社時代のエピソードの中から「無線」の話をしてみようと思います。

便利な無線、しかしデメリットも…

昔話、路線バスの無線から怒号が聞こえてきた

すべての事業者とは言えませんが、路線バスには無線が装着されています。

私の乗務するバスにも無線が装着されており、点呼場との連絡や情報伝達に重宝しています。

例えば、「○○1丁目交差点、交通事故により通行止めとなっておりますので、△△病院前からは迂回運行を行います…」「1350号車、忘れ物の問い合わせですが…」など、運行に関する伝達事項から、案内の参考になる情報までさまざまです。

そんな無線のメリットは、携帯電話のような一対一の通話ではなく、一人が発信した情報を全員が受信できる(機種によっては携帯電話のように一対一の通話が可能なものもあります)と言う点です。これによって、渋滞情報や接続する他路線の様子を知ることが可能です。

しかし、全員が受信できることがデメリットとも言えます。つまり「自分に全く関係のない通信は、人によっては雑音にしか感じない」ということです。そんな全員が受信できる無線に”とんでもない通信”が飛び込んで来たそうです。

それは数十年も前の話。

ある路線バスがバス停を発車しようとしたところ、後方では特急バス(自社)が追い抜かず待っていてくれたそうです。(まぁ、団子運転や他社と並走する路線ならよくある話ですが、個人的には追い抜いてほしいパターンです…)

ただ、後方の特急バスは営業所の中でもちょっと怖い雰囲気を漂わせる大ベテランが運転していたそうなのですが、進路を譲ってもらった先行車両はサンキューハザードもなければ、短一声(短いクラクション)もなく、そして、窓から手を出すこともなく、何事も無かったかのようにスーと出発したそうです。

これに立腹したのが後続の特急バスを運転していた大ベテランで、「○○号車、何とか言わんか!」と一言無線を飛ばしたそうです。

間髪入れず「あっ…、スミマセン…」と返信が飛んできたらしいのですが、無線のやり取りは全車に飛んでいますから、さすがに無線を聞いた瞬間は師匠もビクッとしたそうです。

人伝の話なので多少の脚色はあるかもしれませんが、話を聞いて「なんじゃー、そりゃー!」と思うとともに、「怖っ!」とも感じましたね。ただ、体育会系の体質を表現するには説得力のあるエピソードには違いありません。(もっとも、その運転士の人格の問題だと思いますが…)

まぁ、このようなシチュエーションで自分が後続だったら「サンキューハザードくらい出さないの?」と思う気持ちもわからなくはありませんが、それで無線を使うのは適切な使用とは言えませんね。

一応補足しておくと、相手に謝意を伝える「サンキューハザード」「クラクション」「挙手」「窓から手を出す」などは明文化されたものではなく、自然発生的に広まったマナー(習慣)のようなものです。

特に、クラクションは誤解によるトラブル防止、挙手・窓から手を出すことは片手運転になることから事業者によっては禁止していることもあるそうです。

と、杓子定規なことを言っても、バスに限らす相手に謝意を伝えることは交通マナーの上でも大切なことであるには違いありませんが…

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