24Jul
今日は少し「なんだかなぁ」と思う乗客のお話。
先日、
「遅れて迷惑してるんだよ!」と同僚が文句を言われたらしいです。「定時運行を信頼している」と言えばまだ救われますが、正直、"乗客"の立場を利用した自分の憂さ晴らし『パッセンジャーハラスメント(パセハラ)』があるのも現実なんです。ちなみにパセハラって勝手に命名してみました(–;) pic.twitter.com/Ee1Oe5oZvS
— 路線バス運転士@愛知 (@rosenbusnet) 2017年7月18日
と言うツイートをしたところ多くの反応をいただいたのですが、この件に限らず「乗客」という立場を利用した心ない嫌がらせがあるのが実情ですので、その一端を紹介してみようと思います。
まず、今回のツイートように遅れに対してアレコレ言ってくるのは路線バスでは有名な話しですね。
ただ、運転士に文句を言われても「別に俺のせいじゃないし…」と思っているのが本音で「アレコレ言うならマイカーで行け!」とまで思っているのも実際のところです。
以前にも書いたのですが、一応事業者としては渋滞も考慮したダイヤにしているわけなので、想定を超えた遅れに対しては不可抗力なんですよね。
もちろん、遅れに対して謝罪の一言もなければ怒れるのが乗客の心理ですが、謝罪のアナウンスをしても収まらない人もいるわけなので困りものです。
正直、遅れに対する文句を嫌がらせと言うかどうかは微妙ですが、聞いた話では「たった1分遅れただけで毎回文句を言う(クレームの電話を入れる)人もいる」と聞きますので、このようなケースがパセハラだと思います。
次の困った乗客は『バス停外の乗降』です。
例えば、バス停を出発してすぐ先の信号交差点で止まったときに「開けろー!」と迫ってくる乗り遅れた乗客です。
路線バスの乗降はフリー乗降区間など特殊事情を除いて基本的にバス停のみに限られています。
そのため、バス停外で乗降をさせ万一事故が起きると、バス停以外でドアを扱った運転士にも責任が生じます。
しかし、このあたりの事情を知らない乗客はバスを叩いて迫ってくるわけです。
仮にドアを開けたら「なんで、ダメなんだ!」と迫ってきますし、ドアを開けなければ「乗客がいるのにバスが行った!」とクレームを言ってくるわけです。
最後に紹介するのは『一万円で支払う乗客』です。
「路線バスに乗るときは小銭を用意してください」と言うのが慣例なのですが、やはり一万円しか持っていない乗客がいるのも実情です。
もちろん、うっかり小銭を持ち合わせていない方もいますし、両替に対応していないのは事業者の怠慢と思える部分があるのも正直なところですからすべてのケースではありません。
この手の嫌がらせは無言で料金箱の上に一番円札をポンっと置いていく確信犯ですね。
一万円の扱いに関しては事業者によって異なりますが、例えば、両替する予備金を持っていない事業者のバスの場合、運転士は一万円を渡されてもどうしようもありません。
実際は他の乗客に両替できないか確認するわけですが手間が掛かります。これを承知で一万円を毎回出してくるのです。
まぁ、事業者も車内カメラなどで記録をしていますので、この手の嫌がらせについて手をこまねいているわけではないのですが、このような乗客もいるわけですね。
と、今回は同業他社から転職してきた運転士の話もピックアップして紹介してみましたが、幸い私自身が嫌がらせを受けた経験は少ないので、地域性も大きく影響しているような気がします。
路線バスの運転士をしていると、奉仕しているようなイメージが強いためか周囲(乗客や他の交通)から見下されているような感覚を覚えるのも事実です。
もちろん「お客様」であることにかわりはないので最低限の接客や対応は必要だと思いますが、「自身の憂さ晴らし」や「身勝手」な乗客がいるのも現実です。
今回、ツイートでも書きましたが、乗客からの嫌がらせを『パセハラ(パッセンジャーハラスメント)』と命名してみましたが、最近は「駅員への暴力」と言う、もはや嫌がらせを超えた犯罪行為も耳にします。
必要最低限のサービスや対応をしているのであれば事業者も毅然とした態度を取らないと、この手の乗客はつけ上がる一方ですので現場の運転士としては適切な対応をお願いしたいですね。
そうしないと環境は悪くなる一方で離職に歯止めは掛からず運転士不足は改善しないでしょう。
結果、運転士不足から路線バスは先細りして最終的に困るのは事業者や乗客なんですけど、本当に「なんだかなぁ」と思える話しです。