路線バス運転士になった元ウェディングプランナーの乗務日誌

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路線バス運転士こーくんのブログ

同じバスでも観光バスと路線バスでは運転テクニックが全く異なる話。

同じバスでも観光バスと路線バスでは運転テクニックが全く異なる話

バス運転士に転職して3年目。

思い出せは新人の頃は要領がつかめずバスを出発させるのも一苦労だったのですが、さすがに3年も運転していると”慣れ”から色々な余裕が生まれます。余裕があるからこそ乗客や周囲にも目を配ることができるのですが、その一方、「3ヶ月や3年目は油断するので気を付けるように!」とも言われます。

そこで、「初心に帰る」ではないのですが、新人の頃のエピソードを振り返ってみようと思います。

私の営業所では新人教育は主任クラスの運転士が指導するのが通例となっています。「厳しい」「優しい」は人それぞれの個性なのですが、細かな事をガミガミ言うような指導スタイルではなく、明らかに危険と思われたりする点(例えば、出発時の確認が不十分、停車時の衝撃が強いなど)を指導するスタイルだったので、自分の欠点がわかりやすかったように思えます。

個人的には合間に聞かれるテクニックやエピソードが好きでしたね。

その中でも印象的なのは「観光バスと路線バスでは運転が全く異なる」と言うものです。正直、観光バスも路線バスも「バス」と言う認識でしたから運転方法が異なると聞いたときは「へぇー」と思いましたね。

具体的に言うと、観光バスは「乗り心地重視」のため、クラッチ・ブレーキはスムーズな操作が求められ、先の信号を読んで無駄な加減速は避けるのだそうです。また、カーブでもなめらかなハンドル操作によって乗客が車酔いしないよう繊細なテクニックが求められるそうです。これを見知らぬ土地の道路で実践していくので大変なのだそうです。

確かに、路線バスは固定ルートを走っていますから、「このあたりで排気ブレーキを効かせれば十分減速できる」「あの信号、あと○秒で赤になるから…」など運転自体も見通しを立てることができますからね。

一方、路線バスは観光バスと真逆で「乗り心地を重要視しすぎるといけない」と言っていたことに驚きました。

路線バスは観光バスや他の車と異なり「立ち乗り」があります。しかし、鉄道とは異なりバスの加減速は大きなGが掛かりますから急ブレーキで転倒ということもあり得るわけです。鉄道の急ブレーキで乗客の転倒があまり聞かれないのは、急ブレーキと言っても減速度がバスと全く異なる(電車は短距離で止まれない)からです。

そのため、バスで立ち乗りをするときは転倒事故防止のため、必ず手すりや吊り革につかまって欲しいのですが、あまりに心地よい運転をしてしまうと立っている乗客が油断して手放しになり、危険度が増すそうなので時には”雑”な運転も織り交ぜるのだそうです。

新人の頃にこの話を聞いたときは「へぇー」と思ったのですが、今ではその理由は肌で感じることができます。その分、余裕が生まれたということなのでしょうが、何にしても「3年目で事故」とならないように乗務していこうと思います。

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