30Jun
今日はお休みですので家でのんびり過ごしていたのですが、昼ごろふとネットニュースを見ると「東海道新幹線で火災」との見出しがあったので驚いてテレビを付けました。
で、どうやらテロではなく71歳男性の焼身自殺が原因だそうですが、50-60歳代の女性が巻き込まて死亡してしまったのはとても残念です。
それにしても、個人的な事情や思想が背景にあったとしても、このような行動に及んだ犯人には全く同情する気にはなれませんが、みなさんはいかがですか? まして、自分の身勝手すぎる行動(自殺)で他人の人生を奪い、乗客を恐怖に陥れた犯人には強い怒りすら感じます。
JR東海から乗客への保証はない!?
さて、いまのところ今回の事件で事故車両に乗り合わせていた乗客には遅延による「払い戻し」のみの対応となるそうです。
確かに、JR東海もいわば被害者ですし、損害賠償は犯人に請求されるべき内容ですから仕方ないのですが、それでも火災と言う恐怖を体感した乗客からすれば「払い戻ししかないの?」と思われるのではないでしょうか?
このあたりはJR東海側の管理体制も含めて今後議論されていくような気がします。
それにしても問題は『今後の危機管理体制』です。
来年には三重県伊勢志摩でサミットが開催されますし、2020年には東京オリンピックが開催されます。
サミットはともかく、オリンピックともなると不特定多数の外国人旅行客が新幹線をはじめとする公共交通に大勢乗車することから「脆弱(ぜいじゃく)と言われる日本の公共交通におけるテロ対策をどうするのか?」真剣に検討する必要がありそうです。
形骸化している持込み禁止規定
今回、新幹線車内の天井が焼け落ち、乗客もススをかぶるほどの火災となったわけですが、他の車両への延焼を防いだのはトンネル火災などの教訓から設けられた防火基準による部分が大きいと思います。
しかし、構造は万全でも根本となる火器の持込みについては基準はあるものの形骸化しているのが現実です。
ちなみに路線バスでも「旅客自動車運送事業運輸規則(第52条)」によって、火薬類・灯油をはじめとする引火性液体などの持込み禁止品が定められています。
一応、車内にも明記してあり運転士も理解はしていますが、カバンの中に灯油が入ったボトルを持込まれても手荷物検査をしているわけではないのでわかりません。
詰まるところ、「乗客のモラルや信用に頼っているのが日本の公共交通の現状」と言うわけです。
非現実的なことも想定する必要がある?
今後、手荷物検査も含めた管理体制が議論されることになると思いますが、恐らく、手荷物検査の導入は見送られるのが現実的な気がしますし、仮に、導入されるとしても空港なみに実施しないと効果がないでしょう。
しかし、止まってドアが開くまで密室となってしまう新幹線の恐怖が露呈した今回の事件、リニア導入も見据えスプリンクラーも含めた防火対策や排煙対策を検討する必要があるのかもしれません。
また、異常時において毎回指摘される案内不足。今回も一部の乗客からは「スマホやSNSで状況を知った」「何が起きたかアナウンスが無かった」と言う不満の声も聞かれたそうです。
特に異常時において人がパニックを起こす原因は「何が起きているかわからない…」「どうしてよいかわからない…」と言う点かと思います。そう考えれば、迅速かつ正確な案内は必要不可欠だと思いますので、こちらも十分に検証する必要があるのではないでしょうか?
真偽は定かではありませんが、東日本大震災で防災対策やゲスト誘導について注目を集めた東京ディズニーリゾートでは飛行機が墜落したことも想定したマニュアルがあるとウワサされています。
今回の事件は前代未聞であるだけにJR東海には同情も感じますが、不特定多数が利用する施設や公共交通では東京ディズニーリゾートのように「最悪」かつ「予想外のこと」も想定した対策や訓練が必要なのではないかとも思います。
いずれにせよ、このような事件を聞くと”やるせない”思いがします。