7Dec
今でこそICカードで乗車位置と降車位置がしっかり記録されるのと同時に運賃を自動精算してくれますので不正乗車は減少していると思います。
しかし、ICカードが行き届かない自治体が運営するコミュニティバスともなると、昔ながらの現金精算が主体となりますので「もしかしたら、不正乗車?」と疑うことも多いのが実際のところです。
あまり具体的な事例を挙げるわけにはいかないのですが、不正乗車抑止の観点からひとつ紹介すると「運賃が180円の場合、10円玉14枚で降りていく」と言った運賃のごまかしが挙げられます。
「運転士は枚数まで数えていないだろう…」と安易な気持ちから”魔がさす”と思いますが、以前から書いているように運賃箱の裏側(運転席側)には窓があるので投入した硬貨は一目瞭然です。
また、最近の運賃箱は自動販売機のようなセンサーが取り付けられているので、投入金はディスプレイに表示されここでも把握することができます。
どこのバス停から乗ったの?
そんな中、とあるバス停から乗った中学生風の3人組。
あまり疑ってもいけないのですが、中学生や高校生は好奇心旺盛で、ときに魔がさすこともある時代ですから乗車するときは特に注意して様子を伺います。
案の序、乗ってしばらくすると後部座席で横になって寝ようとするなど横着な感じが全面に出ているのですが、たまに車内ミラーで「見てるよ!」と無言のアピール(にらみ)をしたこともあってか、それ以上、何をするわけでもありませんでしたが怪しい匂いがプンプンします。
そして、目的地に到着。
1人目、2人目は整理券と硬貨を入れ降りて行ったのですが、3人目はお金だけ入れて降りようとしたので呼び止めます。
「あっ、ちょっと待ってくれる!?」
立ち止まって、振り向いた子に…
「どこから乗ったかな?」
尋ねると、友人と笑顔で話していた顔が急に青ざめます。
「…○○(バス停)です。」
「○○だと、300円だから、あと100円入れてくれる」
実は、降りようとしたバス停までの運賃は300円なのですが、その子が入れた硬貨は100円玉1枚と50円玉2枚の計200円だったのです。
もちろん、硬貨を間違えて投入した可能性もありますが、状況的に不正乗車をしようとした可能性が高いので「整理券がないと始発からの運賃をもらわないといけないし、もしワザとだったら犯罪になるから…」と釘を刺して100円を追加投入してもらいます。
このように、運転士は見ていないようでしっかり見ていますし、乗車したバス停もインプットしています。また、こういった情報は営業所に報告され、他の運転士にも情報が共有されますからマークが厳しくなります。
※不正乗車の判断基準や対応方法は事業者やシチュエーションによって異なります。
性質上細かく解説できませんが、ども事業者でも共通することは「不正乗車は犯罪(詐欺罪)である」と言う点です。
たった100円のごまかしが取り返しのつかない大きな事件になることもありますので、くれぐれも安易な気持ち(若気の至り)だけは起こさないで欲しいものです。