路線バス運転士になった元ウェディングプランナーの乗務日誌

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バスが事故を起こしたときの修理代は自腹。それでも運転士になりたいですか?

バスが事故を起こしたときの修理代は自腹。それでも運転士になりたいですか

「バスが事故ったらどうなるの?」結構気になる方も多いのではないでしょうか?

乗用車を運転している感覚で行くと「保険屋さんに電話して…」となるのですが、実は求人情報誌には決して書かれない『闇の部分』があるので今回は知られざる事故処理の実態について書いていこうと思います。

さて、みなさんはバスが事故起こす確立ってどれくらいだと思いますか??

恐らく、バスに関する事故はニュースなどで報道されますから報道数から行くとそこまで多くない気がしますよね。しかし、答は逆にかなりの頻度で発生しているのです。

さすがに人身事故は少ない(発生すればそれこそニュースになります)のですが、「ミラーが標識や電柱に接触した」「ガードレールと車体が接触した」「大型車同士のすれ違いでミラーをぶつけた」と言うような物損事故はかなりの頻度で発生しています。正直、バスなどの大型車は乗用車より面積が広いので接触リスクだけを考えれば不思議ではありません。

運転士の処分はどうなるの?

物損事故と言えども、実車であれば乗客に迷惑が掛かりますし、会社も修理代など負担が発生することから、運転士は何らかの処分を受けるわけですが、どのような処遇が待っているのでしょう?

まず、事故報告書(始末書)の提出です。これはバス業界に限らず、どの業界でも行なわれている当然のことですよね。

次に下車勤務です。下車勤務とは乗務させない勤務のことなのですが、運転士が運転に関わらない業務と言うと「洗車」「車庫の清掃」など雑用しかないのが現実です。結果、反省を促すと言いつつ「見せしめ」のイメージが強くなります。

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そして、問題は修理代です。

恐らく、「自動車保険のように保険で対応するから運転士は免責分(自己負担金)だけ支払えばいいのでは?」と思っている方が多いでしょうが現実は甘くありません。

よくネットで「運転士が物損事故を起こして全額自腹で払った」と言うような記事を見かけたことがあるかもしれませんが、これは“事実”です。

もちろん、事業者ごとに「10万円までは運転士負担、それ以上は保険や会社経費で適応」など事故発生時の対応を設けているのが通常ですから、すべてのケースに当てはまるわけではありません。

しかし、運転士の金銭的負担がゼロというのは考えにくいのがこの業界で大手も例外ではありません。

特に大手の場合、営業所ごとの事故件数が管理者の評価対象になることから、運転士に高額な修理代を請求して事故件数として計上しないと言うケースもあるそうです。(同業他社、運転士談)

もちろん、事故を起こした運転士に反省を求めるため「本人に修理代を負担させるのは当然」との意見を持たれる方もいるでしょう。

しかし、「翌日までの休息時間は法定で定められた8時間ギリギリの繰り返し」「給料水準は全産業の平均以下」「扉挟みや車内事故が起きれば乗客に過失があっても運転士が処分される」「周囲の交通から保護されてはいない」など、過酷な労働環境や理不尽とも思えるリスクの中で運転士はバスを走らせているわけです。

このような状況に万一の事故に対する不安要素が加われば、離職者が多くなるのも理解できる話で、「バス運転士が不足している!」と騒がれているのは言わば”当然のこと”と言えるでしょう。

実際、家庭が支えで仕事をしている私ですが、転職して3年目、将来に不安を感じながら乗務しているのが本音です。

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