4Jan
明けましておめでとうございます!
2016年がいよいよスタートしましたが、今年も仕事の傍らでブログ&Twitterをがんばって更新していきたいと思います。どうぞ、よろしくお願いします。
さて、元旦はお休みが重なったのでどこか出かけようと思ったのですが、結局、やる気が起きず寝正月で終わってしまい”仕事はじめ”を迎えました。
ただ、世間はまだ正月モードと言うこともあって暇でしたね。
真っ昼間にも関わらず道路は閑散としていますし、路線や時間帯によっては乗車人数”0”と言うこともしばしば、所要時間を長く設定してある朝夕はひたすら”ハザード”を出して時間調整です。
バス停での停車は左ウィンカー? ハザード?
さて、私の営業所では、バス停での乗降は”左ウィンカー”、時間調整や車椅子の乗降など時間を要するときは”ハザード”と区別するようになっているのですが、「バス停での停車について、左ウィンカーなのかハザードなのか法律はどっち?」と議論を呼ぶことが多々あります。
「ちょっと、細かすぎない」との声も聞こえそうですが、案外、こういう細かいことを指摘してくる人もいるので色々調べてみました。
まず、道路交通法をみてみましょう。
第五十三条 車両(自転車以外の軽車両を除く。次項及び第四項において同じ。)の運転者は、左折し、右折し、転回し、徐行し、停止し、後退し、又は同一方向に進行しながら進路を変えるときは、手、方向指示器又は灯火により合図をし、かつ、これらの行為が終わるまで当該合図を継続しなければならない。
と、なっていますので”左ウィンカー”の停車が本来のように思えます。
一応、「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」によって、後続車に乗降中であることを示す電光板の設置が決められていますのでハザードでなくても乗降中であることを後続車に知らせることは可能です。
ただ、通園通学バスについては「道路交通法施行令(道路交通法の条文を枠として細部を決めたルール)」において…
第26条の3の3 通学通園バスは、小学校等の児童、生徒又は幼児の乗降のため停車しているときは、車両の保安基準に関する規定に定める非常点滅表示灯をつけなければならない。
と、なっていますのでこちらは停車中(乗降中)はハザードの点灯が必要です。
そんなハザードについては「道路交通法施行令」では…
第18条の2 …夜間、道路(歩道又は路側帯と車道の区別のある道路においては、車道)の幅員が5.5メートル以上の道路に停車し、又は駐車しているときは、車両の保安基準に関する規定により設けられる非常点滅表示灯又は尾灯をつけなければならない。
となっています。
実際、夜間はヘッドライトに連動して尾灯(テールランプ)がつくようになっていますので、法律論で言えば路線バスは停車時にハザードを点灯する義務はない(もちろん、”ハザードを使ってはいけない”とも書かれていません)と解釈できます。
左ウィンカーだけと言われても…
このように法律では左ウィンカーで停車すれば問題なく、ハザードは文字通り「非常時」に使用するものと解釈することができますが、バス会社などで乗降は”左ウィンカー”、長時間停車は”ハザード”と区別しているのはなぜでしょう?
ひとつは後続車対応です。
左ウィンカーで停車しているよりハザードのほうが長時間停車するイメージがありますよね。そのため、左ウィンカーで時間調整をすると「すぐ、出発するだろう…」とバスの出発を待っている(追い越ししない)乗用車もいるので、ハザードを出して「しばらく止まるよ!」とアピールしているわけです。
これは乗用車だけではなく後続バスにも同じようなことが言えます。
他の路線が合流してくるとダイヤ通りに運行しているバスの後ろに遅れているバスがつながるときがよくあります。こんな時、ハザードを出して時間調整であることを合図しておくと、後続車の運転士は「時間調整なら追い抜けるように前車との間隔をあけて停車しよう」と対応することが可能になるわけです。
そして三つ目は右ウィンカーとハザードを誤認しないようにするためです。
実は、出発時にハザードから右ウィンカーに切り替えたとき、右側面を追い抜いている車から見れば”ハザードが点灯したまま”にしか見えませんよね。この状況で出発させるのは危険なので乗降だけであればハザードの使用は極力避けているというわけです。
法律論ではなく自己防衛
このようにバス停に停車するときのウィンカーやハザードについて書いてみましたが、例えば、左折直後のバス停に停車するとき、そのまま左ウィンカーを出し続けると追突される危険もあるため左折直後にハザードを出すなど「その時の道路の状況」で使用方法を変えています。
恐らく「高速道の渋滞最後尾ではハザード点灯」など、自己防衛の観点から車を運転する人の多くがこのような「わかりやすい合図」を心がけていると思います。
しかし、これに反して合図なく割り込む車などが多いのが実情です。
「事故に巻き込まれたいの?」
真面目に運転している側から言うとこのような憤りを感じることも多いのですが、それに折れず今年も安全運転でがんばろうと思います。
最後に、運用は事業者や運転士によって異なります。また、法解釈も見解が異なる場合がありますので、あくまで「へぇー、そうなんだぁー」と言う感じでお読みください。