13Jan
すっかりあたり前になった「ノンステップバス」
私の営業所も大半がノンステップバスで、出入口にステップ(階段)のあるバスは淘汰されつつあります。
余談ですが、国土交通省でも2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、ノンステップバスの普及を目指すべく事業者への購入補助金制度を検討しているそうなので、近い将来、ワンステップ・ツーステップバスは”絶滅危惧種”に指定されるようです。
さて、そんなノンステップバスをラッシュで運転すると必ずと言っていいほど、ドアセンサーが作動してドアが閉められない状態が発生します。
要するにスイッチを閉にして「プーー♪」と警報音が鳴ってもドアが閉まらない状態のことです。
実は、ドア付近には保安基準によって人や荷物を感知するセンサーが設置してありドア挟み事故を防止しているのですが、ラッシュになるとどうしてもドア付近が混雑してセンサーを遮ってしまうんです。
そして、このようなケースはノンステップバスで多発します。
「なぜ、ノンステップバスで多発するの?」
これはあくまで私の推測なんですが、ワンステップ・ツーステップバスの場合は乗車するときステップを登るわけですが、ステップで立ち止まることはあまりしないですよね。
(ステップを登って「乗った」と言う感覚になりますから…)
一方、ノンステップバスはステップがないので、バスに足を踏み入れた瞬間に「乗った」と言う意識になってしまい、結果、ドアに近寄り過ぎてセンサーを遮ってしまうことが多いような気がします。
もちろん、ノンステップのドア付近は床が黄色でペイントされているので”視覚”ではわかるのですが、混雑時に床を見ることは少ないですよね。
行動心理学と言うと大げさかもしれませんが、ステップがあったほうがドア部分とフロア部分を区別しやすいわけです。
私をはじめ運転士の多くはラッシュ時にセンサーが作動することは承知(日常茶飯事)しているので「ドアから離れてください」「黄色の床から離れてください」などとアナウンスをしていますが、正直「ステップの上に立ち止まらずに…」とアナウンスしたほうが一番わかりやすいような気がします。
路線バスのドアは鉄道と異なってセンサーが取り付けられていますので、ラッシュ時に利用されるときは「入口付近には立ち止まらないようご協力をお願いします!」