7Mar
「バス止めー!火つけんぞ!ええんか!」バスに乗っていた乗客の一人が突然叫ぶ。
何とも恐ろしい話ですが、実は路線バス内で放火事件が起きたことを想定した火災予防訓練(堺市)だそうです。昨年6月には東海道新幹線で男性が焼身自殺を図ると言う前代未聞の事件(新幹線火災)もありましたから、訓練とは言え妙なリアル感があります。
さて、私の乗務する路線バスにも消火器が備え付けられているのですが、使われたことはなくホコリがかぶっています。
(使わないに越したことはないですが…)
(もちろん点検はしてますのでご安心を…)
ただ、バス火災って意外に多いのだそうです。
ちなみに、平成23年から26年までに発生したバス火災って何件かご存知ですか? 国土交通省のHPで調べてみました。すると、なんと58件も起きているそうです。
・平成23年中発生…13件
・平成24年中発生…18件
・平成25年中発生…8件
・平成26年中発生…19件
出火原因を見てみると…
・電気配線(ショート)…12件
・燃料漏れ…10件
・オイル漏れ…6件
・ブレーキの引きずり…7件
と、上位の原因を列挙しましたが、電気系統と燃料漏れがダントツなんですね。
さて、運転士は毎朝始業点検を行ないます。
(台風でも大雪でも関係ありません…)
正直、電気配線のショートに関しては整備作業不良や整備不十分の要素が大きいので運転士が見抜くのは難しいのが本音です。しかし、オイル漏れや燃料漏れは始業点検でエンジンルームや車体周辺を確認すれば発見することは可能なので、事業者や運転士の取り組み方によります。
ちなみに、燃料やオイル漏れを発見して車両を交換することは実際にあります。
「主任、オイルが漏れてるみたいで…」
「おっ、見てみるよ。何号車だった?」
こんな感じのやり取りをし、管理者が点検整備要と判断すると…
「じゃー、1877号車に交換しようか」
と、該当車は整備部門に直行し、予備車の出動となるわけです。
さて、資料を読んで気になったのが当事者です。国土交通省の資料によると…
「車両の保有台数が50両以下の規模の小さな事業者が約95%を占める」
とまとめられています。
関越道で起きた居眠り事故や、長野で起きたスキーバスの転落事故は保有20台以下の事業者が起こしています。
「バスの保有台数をある程度持つ事業者はやはり管理や整備がしっかりしている」
中・小・零細企業でも運行管理がしっかりしているところはあるのですが、利用者はこう考えているかもしれません。さしあたり、運転士個人としてはマンネリ化しがちな始業点検ですが押さえるところは押さえていこうと思います。
PS マイカーも点検整備は大切ですのでみなさんもしっかり点検してくださいね。
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