路線バス運転士になった元ウェディングプランナーの乗務日誌

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路線バス運転士こーくんのブログ

「再雇用裁判」で運転士の賃金は激変するか?

「再雇用」ってご存知ですか?

さすがに私はまだ無縁なのですが、先週末(2016.5.13)に気になるニュースがありましたので「再雇用」について紹介します。

バス運転士の人手不足はかねてからお伝えしている通りなのですが、人手不足を補うために多くの事業者は「再雇用」と言う雇用形態を採用しています。

で、誰を再雇用するかと言うと「定年退職された運転士」です。

例えば、65歳が定年の事業者の場合、65歳で定年を迎えたあとも引き続き契約社員やパートとして再雇用するわけです。実質、定年の延長のようなかたちになるのですが、こうすることによって人手不足を補っているわけです。

もちろん、雇用形態が正社員から契約社員・パートとなりますので年収は大きく下がることになるわけですが、それでも多くの運転士が再雇用と言う形で活躍されています。

さて、ここからが問題のニュースです。

ある運送会社で再雇用されていたトラックドライバーが「正社員と同じ業務をして同じ責任を課されているのに再雇用によって賃金が下がるのは不当」と訴えた裁判の判決があり、裁判所は『賃金格差は不当』と言う判決を出したのです。

これに対し朝日新聞は「多くの企業が慣行として行っており、今回と同様の仕組みをもつ企業に波紋が広がりそうだ」と締めくくってるのですが、トラックドライバーにしてもバス運転士にしても運転に伴う事故のリスクは正社員と同じなので、ある意味、納得できる部分は大きいと思います。

ちなみに再雇用の運転士がどのような勤務に従事するのかは事業者によって異なりますが、例えば「月曜日から金曜日まで、朝7時から夕方6時まで運行しているコミュニティバス専属」など再雇用者の年齢や健康面などを考慮した行路に充てるのが一般的です。

ただ、先程も書いたように勤務時間は配慮されていますが、ひとたびハンドルを握れば事故のリスクは正社員・契約社員・パートも皆同じですので「賃金格差は問題なし」とは言い切れません。

「だったら、運転士の定年を70歳にすればいいのに!」

そんな声も聞かれるのですが、どんなに今まで健康であっても歳を取れば相応の医学的リスクが伴います。これは避けて通れませんし予測も難しいため、事業者としては定年の引き上げに消極的な部分があるのが実際のところです。(事業者都合はさて置き、乗客としても「運転士が70歳」と聞くと不安を感じる方もいるのではないでしょうか?)

いずれにしても、人手不足がすぐ解決するわけもないですから再雇用は続いていくと思いますが、判決によって「再雇用者の賃金改善」を訴える労働組合も出てくるかもしれません。

しかし、これは「もろ刃の剣」となる可能性も秘めています。つまり、「再雇用者の賃金改定を要求したら、65歳以上の再雇用システムそのものが廃止され、残された運転士がさらに激務になる」と言うことにもなりかねないので、どの事業者も人手不足の状況を見極めつつ妥協点を探る展開となりそうです。

ちなみに再雇用における賃金カットについては「60歳以降の賃金が、60歳時点の75%未満である」などの条件を満たせば『高年齢雇用継続給付』と呼ばれる給付金の受給を受ける制度がありますので、こう言った制度も含めて再雇用について考えてほしいのですが、「安全」が軽視されるのだけは避けてほしいです。

でも、一口で言うと「少子高齢化」の影響も多きいと言うことですよね。

ちなみに痛風爆弾を持っている私ですが、昨日「乳酸菌が痛風予防に効くのでは?」と言うニュースも舞い込んできましたので、何十年か先の定年に向け健康についても考えていこうと思います。乳酸菌と痛風予防の関係について興味のある方はこちらの記事をご覧ください。

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