25Feb
「拘束時間は長くて、休みも少ない、おまけに給料も安い」と言われているバス運転士のシフトは様々なルールの下で決められています。
そのルールのひとつが『自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)』と呼ばれるものなのですが、実は運転している当人(運転士)が知らないことが多いんですね。
私自身はブログなどで情報発信している関係上、こういった決まりにもある程度精通しているのですが、今日はその中から『休日』について解説してみようと思います。
一般的にサラリーマンの休日と言うと「0時から24時までの丸一日(24h)」と解釈されますが、バス運転士の休日は改善告示基準で32時間以上と決められています。
これは24時間の休日に休息期間(前の乗務が終わって、次に乗務するまでの時間)の8時間が加わっている関係なのですが、少しややこしいので図解してみました。
例えば、一日目の乗務が0時で終わった場合、公休の次の日は8時以降の出勤でないと二日目は休日とは認められません。
ちなみに、よく「休日は勤務形態に関係なく0時から24時の丸一日」と言われますが、これは法律で定められた月4回の「法定休日」に対してなので、それとは別に会社から割り与えられる所定休日とは別物だそうです。
「へぇ、32時間以上なんだぁ。いいなぁ」
と思われている方もいるかもしれませんが、サラリーマンでも日曜日が休みで月曜日が9時出勤だったら33時間以上あるわけですから、バス運転士だけが優遇されているわけではありません。
ただ、これが深夜バスを運転している方になると事情が変わります。
例えば、上図のように二日目の朝9時に乗務が終わり三日目の17時から再び乗務する場合、実は、その間の32時間をもって公休(休日)にすることが可能になります。
正直、休日と言われても疲れが取れるか微妙ですよね。
私も運転士になる前に深夜勤務をしたことがありますが、夜勤明けは頭がボーとしてまともに過ごせず疲れはなかなか取れないものです。そもそも昼に活動して夜寝るのが人間のリズムですから…
もちろん、良心的な乗務員運用をしている事業者もあるので一概には言えませんが、バスの運転士でも日勤の運転士と深夜バスの運転士では32時間の休日と言われても体感や疲労回復に差があるわけです。
せめて、夜行バス(夜勤)運転士の基準を厳しくすると同時に、賃金水準を上げ無理をしてまで運転する環境を改善しないことには悲惨な事故は繰り返されるでしょう。
まぁ、こんなことだからバス運転士を目指す若い人が少ないわけですが…