2Mar
バス運転士の一日は『始業点検(日常点検)』から始まります。
タイヤのキズやボルトの緩み、エンジンオイル、ライト類、放送機器、室内灯など数多く点検項目を10~15分程度で行います。
正直、点検に要する時間は個人差なので要領がつかめていない新人さんだと少し長くかかるのですが、何かハプニングがあるといけないので新人さんは自主的に早く出勤する傾向があります。
一方、私のように慣れてくると遅刻こそないものの、どちらかというとギリギリの出勤になっていくわけです。
と言うか、バス運転士は前日の退勤から翌日の出勤までの時間(休息期間)が短い傾向がありますから、自然とギリギリになってしまうわけですね。(…単なる言い訳です)
さて、話は今朝のこと。
晴でも雨でも雪でも台風でも毎日行う始業点検ですが、今日の愛知県は朝から雨。
こんな日に限ってハプニングに遭遇します。
今朝のハプニングは『球切れ』です。
タイヤ・エンジンルームなどの車外点検を済ませてエンジン始動。
空気圧(エアー)の溜まり具合を確認しつつ、ブレーキを踏むとブレーキランプの球切れ警告灯が点灯!
「えぇーーーーーーー!」
さすがに「始業点検、異常ありません!」と報告するわけにもいかないので、替えの電球を点呼場に取りに行きます。
余談ですが、冬場って球切れに限らず車両や運行機器のトラブルが結構多いです。
電球は夜間走行でアツアツに熱せられた球が深夜車庫で冷やされることによる温度差から球切れになりやすいのだとか…
一方、機器トラブルの多くは”寒さ”によるものと言われています。
人も寒い冬場に準備体操をしないで急激な運動に突入するとケガをするリスクが高まりますが、電子機器も暖まるまでは正常に動作してくれないこともあるのです。
バスの運行機器は音声合成装置や系統設定器など電子機器(コンピュータ)が主体ですが、電子機器の保存環境はおおむね5°~35°です。
そう考えると、バス車内が氷点下になる冬場の早朝は電子機器に異常が生じてもおかしくないのですが、そんなことを知っていてもギリギリに出勤する私です(苦笑)
さて、替えの電球を点呼場に取りに行ったあと、エンジンルームを開けて電球のソケットを取り出しパッと交換。時間にしてたぶん3分くらい。
「球切れだよぉ~~」
と、他の運転士に”悲劇”をアピールして出発します。
こうやって書くと「さすが! 慣れてるね!」と思われるかもしれませんが、車庫には色々な車種のバスがあり、一口に球切れと言っても交換方法はマチマチです。それに毎回同じ車種で電球交換するとは限りません。
そのため、球切れを発見したときに「どうやって、電球交換すればいいのー!」と慌てないように、新人の頃から暇を見つけてはバスの取り扱い説明書を見るようにしていたので「経験の賜物」というよりは「予習の賜物」と言うわけです。
乗用車と異なり、バスに乗っていると色々な車両トラブルに遭遇します。
イザという時に困らないためにも新人さんには「暇があったら取説読んでおいた方がいいよ」と説明している今日この頃です。