27May
「暑いですね~」
昨日、愛知県の最高気温は31.8℃だったそうです。正直、真夏のことを考えればまだマシなほうなのですが、「5月」「前日・前週平均が27℃(愛知県)」であることを考えるとこの急激な温度変化に思わずため息が出ます。
そんな急激な温度変化の中、愛知県内を走るJR東海道線では運転士が熱中症でダウンしたというニュースが駆け巡りましたが、今朝になって、同じ列車に乗務していた車掌も熱中症で搬送されていたことが判明しました。
概要をまとめると、東海道線の新快速列車の運転士が熱中症とみられる症状を起こし列車を緊急停止。運転士交代後も車掌はそのまま乗務を続けたのですが、終点到着後、熱中症とみられる症状を訴え病院に搬送されたそうです。
ちなみに、このトラブルを受けてJR東海では6月1日に実施する夏服への衣替えを、急きょ5月27日に前倒ししたそうなのですが、個人的には「夏服・冬服の切り替えを自己判断にしてはダメなのか?」という素朴な疑問を感じましたね。
と言うのも、記事によると同じ愛知県を走る名鉄では5月から、近鉄では4月中旬から半袖シャツとノーネクタイを認めているのだそうです。私の営業所も夏服着用は運転士の個人判断に委ねられています。
余談ですが、私がJRに勤めていたら「なんでこんなに暑いのに冬服なんだ!? ルールを決めた”冷房の効いた場所にいる”事務方は現場に出てこい!!」と皮肉ったかもしれませんね。(実は、反骨精神旺盛だったりします)
さて、そんな熱中症予防に効果的な水分補給ですが、JR東海・名鉄・近鉄とも運転席での飲食は禁止されているそうですが、体調がすぐれない場合は指令所の了解のもとで水分補給できるそうです。
JR東海はさらに乗務中の水分補給時は報告書の提出が必要なのだそうです。記事には他の運転士のコメントとして「いつ水分を取ったか、客から苦情が無かったかなど事細かく報告しなければならず、そこまでして水を飲みたがる人はいない」と書かれていましたが、これがまさに『現場の声』なのでしょうね。
ただ、今回の熱中症騒動には伏線があり、症状を訴える前に20分ほど緊急停車して安全確認を行っていたそうです。つまり、炎天下の中、ジャケットを着て点検をしていたそうです。ここからは推測ですが、点検を終えて運転席に戻っても運転士は水分補給することなく運転を継続したことが熱中症の引き金になったのかもしれません。
路線バス運転士の水分補給は?
さて、気になる路線バス運転士の水分補給についてですが、事業者ごとに方針は異なりますので一概に言えません。ただ、鉄道と同じく実車中は乗客の視線もありますし、それよりトイレのことが気になりますから、終点でトイレと軽い水分補給を済ませて折り返すというスタイルが多い気がします。
一応、着発オンパレードでゆっくり水分補給できないときもありますから、パッと水分補給できるようこの時期は時に”水筒”を携行しています。ペットボトルでも良いのですが「サボってる」というイメージを持たれやすいので水筒です。ただ、先程も書いたように終点に到着して車内点検をしたついでにパッと水分補給をして事足りますね。
それにしても、最近は鉄道に限らずバス運転士など交通従事者への視線が厳しい部分があるのが正直なところです。個人的には視線が厳しいというより単に矛先が向けられやすく事業者側が敏感になっているだけの話だと思っています。
それ故、JR東海ほどの大企業になればなるほど情報共有や統制の面から些細なことでも報告書の提出を義務付けたり、ルールを守らない場合は懲罰を科して秩序を維持する方針になってしまうのは理解できます。
しかし、極めて稀な例にしても今回のように乗務員の生命が脅かされてしまっては安全輸送そのものが成り立ちません。点検を終えて運転席に戻ったときにパッと水分補給できる環境があってもよかったような気がします。そもそも、走行中ではないのですからそれで苦情を入れる人の思考も理解に苦しむのが本音です。