路線バス運転士になった元ウェディングプランナーの乗務日誌

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路線バス運転士こーくんのブログ

路線バスの運転士に転職して良かったこと、悪かったこと。

最近、yahoo知恵袋でバス関連の質問があると回答者として参加することがあります。暇つぶしで始めたのですがベストアンサーに選ばれたときの快感にハマってしまい継続しているのですが、質問の中には転職を考えている方からの疑問も多く投稿されています。確かに転職したことによるメリットやデメリットは転職してみないとわからないですからね。

そこで今日は私の転職体験談について書いてみようと思います。

ウェディングプランナーからバス運転士に転職

これまで「路線バス運転士はウェディングプランナーだった」のブログを運営してきましたので、私の前職はご存知の方も多いはずです。

実に10年以上もウェディングプランナーとして現場の第一線で勤めていたのですが、思い切って転職したのが約3年前の話です。

その大きな原因が「ストレス」です。

まず、ウェディングプランナーと響きは良くても所詮は「営業」です。そうなるとお客様中心で勤務が構成されますから、例え自分が公休であってもお客様が打ち合わせを希望されれば休日出勤を余儀なくされるわけです。同じように18時に退勤できてもお客様が20時から打ち合わせを希望されれば断るわけにはいかず残業になります。

さらに、休みでも携帯電話が鳴る恐怖に苦しめられますから心休まることはありません。実際、彼女(今の家内)とのデート中に着信が入りムードがぶち壊しになったり、着信していないのに携帯のバイブが振動しているような錯覚に陥る「幻想振動症候群」も体験したことがあります。

(このあたりは営業マンの悲しい性のように感じます)

ちなみに、このときの残業はざっと月100時間。バス運転士も労働時間はハードですがこちらもなかなかブラックですよ(苦笑)

もちろん、悪い話ばかりではありません。

「仕事終わりに一杯」「カラオケでオール(さすがに20代のとき)」と同僚と気軽に飲みに行け、さらに、周囲は学生アルバイトや若い女性スタッフが中心でしたから「出会い」には苦労しませんでしたね(笑)

また、休店日はバーベキュー(夏)・温泉旅行(春秋)・スキー(冬)などイベントも盛んでしたから、こういった公私のバランスもあって10年以上も勤めることができたように感じます。

最終的にはブラックの部分が上回ったので転職したわけですが…

バス運転士に転職

そして、未経験のバス運転士に転職です。

さすがにウェディングと比較すれば全然職種が違いますから「なぜ、バスの運転士に転職したの?」と思われるでしょう。これは単に「興味があった」と言うのが理由なのですが、転職して驚いたのが「携帯電話が鳴らなかったこと」です。

(「そこなの!?」とツッコミが入りそうですが結構大きなポイントです!)

もちろん、休日出勤を依頼されるときなどは携帯電話に着信がありますが、それでも営業時代のように時間や場所にお構いなく電話が掛かることはなくなりましたから「携帯電話から解放された」と言うのが率直な印象です。

(幻想振動症候群からも解放されました!)

また、仕事もローテーションによってどの行路に乗務するかが事前にわかりますので、プライベートのスケジュールが立てやすくなりましたね。それに、一日の乗務も出勤→点検→乗務→洗車→日報提出→終業と業務内容はルーチン化されていますから、営業時代のようにデスクワークが追い付かず残業と言うことはありません。出勤・退勤がはっきりしており公私の区別もしっかりつけられる印象です。

ただ、バス運転士の業務は基本ワンマンですから、営業時代のように「デスク周辺の仲間と気軽に雑談」と言うわけにはいきません。また、友人と遊びにいくにしても中休勤務など運転士特有の勤務形態からなかなか時間が合わないのが実情ですし、飲酒も翌日に支障のない日を選ばなければいけませんからコミュニケーションは少なくなりましたね。

では、肝心の給料は?

多くの方は「バス運転士に転職してガクッと減ったのでは?」と思っているかもしれませんが、実はそんなに変わっていないのです。

営業と言ってもウェディング業界(ホテル・飲食などのサービス業)は全体的に給料が安く30歳代でも年収400万以下は珍しくありません。路線バス運転士の平均年収を440万(出典:年収ラボ)で考えるとそんなに大差ありません。

まぁ、年収440万円と言っても労働時間や休日日数は蓋を開けてみないとわかりませんから何とも言えませんが、個人的には航空や鉄道と並んで旅客の人命を扱っている仕事にしては安いような気がしますね。

結局、価値観の問題

このように私の場合はバス運転士に転職したことによって公私(仕事と休み)の区別が明確になりストレスは大きく軽減されました。また、年収もそんなに変わっていないこともあり、転職によってローンの審査が通らないなどの不便さを除けばトントンと言った感じです。

一方、バス運転士特有の勤務形態によってプライベートの付き合いは激減しましたが、トータルで見たときに転職して良かったかどうかは人それぞれの価値観の差だと思います。

あとは、バス運転士と言っても事業者によって社風・人間関係・福利厚生・勤務時間・年収が全く異なりますので、ここでも良し悪しが大きくわかれるでしょう。

【関連記事】バス業界にも存在する日勤教育

現在、バス運転士を取り巻く環境が厳しいのは確かなのですが、どの仕事も不満や厳しい現実があるわけですから、どこまで割り切るかも大きなポイントとなるような気がします。幸い、私自身はいまのところ「転職して後悔した」と言うことはないので恵まれているのかもしれませんね。

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