12Sep
今日は、ちょっと路線バス関係のネタから離れて鬼怒川(茨城県常総市)の水害について書いてみようと思います。
つい3日前に愛知県に上陸した台風18号は午前中のラッシュを直撃したものの、幸い大きな被害には至らず「このまま弱まっていくだろう」と思っていたのですが、鬼怒川に水害をもたらした大雨は台風18号が影響していたとも言いますので自然の怖さを改めて痛感します。
ちなみに私の地元愛知県では2000年に大雨による堤防決壊や越水などの被害が発生しています。名古屋市では天白区の一部で1階部分が完全に水没するほどの被害をもたらした「東海豪雨」と呼ばれるこの災害、実はこの被害も台風が影響しており、発生時期も9月11日前後と今回の鬼怒川の被害と酷似しています。
そう考えると、台風本体の風雨被害もさることながら、関連する雨雲にも注意したほうがいいかもしれないですね。
ただ、他方では”浸水被害は人災”との見方も出ているようです。
鬼怒川の浸水被害では決壊した場所以外からの越水もあったそうですが、どうやら越水が発生した場所は堤防の役割を果たしていた丘(自然物)がソーラーパネル設置によって削り取られてしまい、急きょ国が土のうを積んで対応していたそうです。
これだけ聞くと明らかに業者の危険行為なんですが、実は、この丘がある地域は河川法が適用されない地域だったそうなので、丘をどうしようが所有者の自由というわけです。そう考えると、治水に関して法整備が追いついていない行政にも問題があるように感じますね。
(もちろん、丘を削ったらどうなるか業者は認識してたでしょうから、承知で利益追求に走った行為も非難されて仕方ないのですが…)
ちなみに、行政では危険性を認識し堤防の設計段階まで話は進んでいたそうですが、結果的に「手遅れだった」というわけです。
一方、先程の東海豪雨では、名古屋市が約37億円かけて整備された排水ポンプが故障して機能しなかったことが天白区の浸水被害を大きくしたとして裁判にまで発展した経緯があります。結局、裁判では「天災」ということで住民の訴えは退けられていますが、素人目には人災と見えてしまいます。
(「37億円もかけて故障、しかもそれで浸水!?」 …そりゃ、怒るでしょう。)
危険を予測して先手で対応していく民間と、杜撰(ずさん)な管理が指摘される行政との”感覚の差”を改めて感じます。
もちろん、立法(国会)の問題もあるのは明らかなのですが、安保問題にせよ、年金問題にせよ、災害復興にしても、どうなるのでしょうね?
いずれにしても被災地の早い復興をお祈りします。