路線バス運転士になった元ウェディングプランナーの乗務日誌

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路線バス運転士こーくんのブログ

ながらスマホの歩行者が信号無視! 事故が起きたときの過失割合は?

最近、スマホに夢中で駅のホームから転落したと言うニュースを聞きますが、このようなスマホにまつわるアクシデントに見舞われるとは思ってもいませんでした。

とある日の夜、比較的大きめの交差点で右折待ちをしている私のバス。前に数台乗用車がいたものの「この台数なら1回の矢印信号で十分右折できる」と気長に赤信号になる(右折矢印が点灯)するのを待っていました。

そして、信号が変わり前の右折車に続いて進み始めたところ、右折先の横断歩道を“ながらスマホ”の歩行者(若いサラリーマン風)が横断歩道を渡りかけたのです!

ながらスマホで信号無視をする歩行者

幸い、私も「なんか、あの歩行者来そうだな…」と用心していたため事なきを得たのですが、ムカついたのはその後の行動です。

「わっ!」「しまった!」「すみません」など普通なら何らかの反応があるのですが、こちらを見るわけでもなく何事も無かったかのように歩道まで下がり再びスマホ注視です。

さすがに「おまえ! なめとんかぁーー!」と車外マイクで!!

…とは行かず、心の中で叫んで終わったのですが、仮に怒鳴ってもこちらが文句を言われる筋合いはないレベルでしたね。

気になる過失割合

まぁ、接触しなかったので”良し”としますが、もし接触事故になっていたら過失割合はどうなるのでしょう?

日本の道路交通では「横断歩道は歩行者保護が最優先」と言われていますが、歩行者側の信号無視ですからその責任の所在は気になりますよね。

で、気になって調べてみると、自動車側が青で歩行者側が赤の過失割合は「自動車:歩行者=3:7」と歩行者側の過失が高めになっているのだそうです。(※矢印信号が青信号と言う位置づけかはわかりません)

それでも車が3割なのに疑問を感じるのは私だけでしょうか?

ただ、これはあくまで基本ケースなので、信号のタイミング・道路の性質(国道なのか田舎道なのか)・時間などによって割合が変わってくるそうなので、あくまで参考と言うスタンスでご覧ください。

と、過失割合はさて置き、路線バスが事故を起こせば『路線バスと歩行者が接触事故』なんて見出しで新聞記事を書かれ、タイトルを見た読者の第一印象は「路線バスが悪い」となるわけです。

記事に”ながらスマホ”の事が触れられれば読者も一定の理解を示してくれるとは思いますが、触れられていなければこちらがバッシングされるのが日本の道路交通です。つまり、「交通事故においては車に非がある(まして二種免許を持っているドライバーが…)」とされる風潮です。

しかし、裁判にも変化が!?

さて、交通事故があった場合は「自動車側に非がある」と言う風潮であるのはご存知の通りだと思います。

「一歩誤れば人体に危害を与える乗り物に乗っているから」と言う考え方には賛成するのですが、その一方、道路を共有する歩行者や自転車の交通マナーの悪さが近年叫ばれていますよね。

代表格は携帯電話やスマホによる「ながら歩行」や「ながら運転」、他にも信号無視や無灯火など自動車運転者から見れば「当たり屋なの?」とも思える行動も目につきます。

そんな中、これまでの自動車側に非があると言う日本の風潮に一石を投じた判決が先日ありましたので、合わせて紹介してみようと思います。

発端となった事故は、2013年に兵庫県高砂市の交差点で発生した自動車と自転車の衝突事故。青信号で交差点に進入した自動車が信号無視の自転車と衝突し相手が死亡したと言うものです。

一審では自動車側が注意義務を怠っていたとして罰金30万円の判決が出ていたのですが、2015年5月19日の高裁判決では自転車側の信号無視を認定し「赤信号で横断した自転車にまで注意を払って運転する義務を課すことはできない」として、逆転無罪判決を言い渡しました。(朝日新聞より)

これまでは、信号無視などの事情はあるにせよ、一審のように自動車側の過失(注意義務)を指摘されていただけに、この判決は日本の交通社会において一石を投じる判決と言えます。

また、自転車側の赤信号が認定されたと言う点で考えるとドライブレコーダーなどイザと言うときの証拠も重要になってくると言えそうです。


ちなみに私が付けているのはこの(写真)ドラレコです。

2015年6月から自転車の取り締まりが強化されましたが、法整備や啓発活動はまだまだ途上と言えますから、今回の判決が何らかのきっかけになってほしいとも思います。

今回の件、ながらスマホで信号無視をしてきた歩行者には怒りを覚えますが、同時に「こういう輩もいる」と、もらい事故になるリスクも考えて車を運転したほうがよさそうです。

みなさんもご注意ください。

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