22Apr
昨日の記事で「体調管理が大変です」と書いたのですが、運転士の勤務スタイルについて今日は掘り下げて書いてみようと思います。
たまに似たようなことは書いているのでご存知の方も多いと思いますが、路線バスの運転士はサラリーマンのように5勤2休(5日働いて2日休み)というスタイルではありません。
365日運行している関係上、要因が不足することなく、かつ全運転士が土日も公平に休めれるように4勤務2休日(4日働いて2日休み)という勤務体系を取っている事業者が多いです。私自身もこの勤務スタイルなので土日が休みのときもあれば月火が休みの時もあるわけです。
そして、肝心の勤務時間、早番・遅番・中休(中憩)・法令限界(1日最大16時間拘束)の勤務などを織り交ぜて勤務していきます。
このあたりは国交省の定める「バス運転者の労働時間等の基準」に基づいて各事業者や営業所が編成していくのですが、最近、「なんで16時間拘束なんて法令で(しかも、週2回まで認められています)認められているの!」なんて思ってしまいます。
出退勤時間に当てはめると「朝5時出勤、夜21時退勤」ってわけですから、朝出勤や通学する乗客を乗せて、夜帰宅する乗客をまた乗せるというわけですから、夕方になるとため息が出ます。
その分、短時間の勤務というものも存在するので「平均すれば…」となってくるのですが、人の集中力はそう都合よくは行きません。このような不規則な勤務を如いて「安全運転」と言われても正直困ったものだと思うのが本音ですね。逆に、このルールが無かったらもっとスゴイことになっている気もします(-_-;)
さて、ここでこのような問題の旗振り役となるのが国交省や厚労省となるのですが、みなさんは「バスの運転者の確保及び育成に向けた検討会」というものがあるのはご存知でしょうか?
これは、バス事故の背景には運転士不足による過重労働があるとして、運転士をどのように確保していくかを行政が検討する会合のことで、「大型二種免許取得の容易化」「事業者の採用方法」「勤務時間」など様々な点が話し合われている会議です。
私のブログでもこの会合のことは取り上げたことがあるのですが、どうもここ最近この会合は行われていないようです。
国交省のホームページで確認すると、第1回は平成25年12月20日、第2回は平成26年4月25日、第3回は平成26年6月19日と開催されていたのですが、マスコミからの注目度が下がるとそれに合わせて会合も休眠(自然消滅?)してしまったようです。
もっとも、会合自体は国民の行政に対する批判を緩和させたり、世論に配慮することを目的としたものだったのかもしれませんが、議事概要を見ると踏み込んだ意見もあっただけに、その後に繋がっていないのが残念な限りです。
気になる方は国交省のホームページをご覧ください。
幸い、私の営業所では「劣悪環境」という言葉は他の運転士からも聞かれないので、恐らく同業の中では恵まれているほうなのかもしれませんが、他社経験者の話を聞くと「法は守っているけど、体が追い付かない」という事業者もまだまだあるようです。
「事故は風化し、改善に対する意識も下がっているのでは?」
つい、そんな悲観的なことを考えてしまう今日この頃です。