路線バス運転士になった元ウェディングプランナーの乗務日誌

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路線バス運転士こーくんのブログ

家族連れが乗車したときの話

マイカーが普及していることもあって”家族連れ”が路線バスに乗車することはそんなに多くありません。

なので家族連れが乗ってくると「へぇ、珍しいな」と思うのが正直なところです。

そんな中、乗車してきたのは小学生の兄妹を連れたとある家族連れ。

ドアと開けると子供たちは前ドアと運転席後ろの展望席にダッシュして座ります。(大人がダッシュしてこの席に座ると正直「えぇー」と思うのですが、子供たちがダッシュする分には微笑ましいですね。)

そして、出発。

昼下がり、道路も空いているのでのんびり走っていきます。

「あっ、マクドナルドだ!」
「バス停、止まらなかったよ?」
「向こうからもバスが来たよ!」

などなど、微笑ましい会話が続き、こちらも自然とアクセルやブレーキも優しくなっていきます。

すると「お兄ちゃん替わってよ!」と運転席の後ろにいた妹の声。

ご存知の通り、運転席すぐ後ろの席は広告や遮光幕の関係で前が見にくいんですね。そのため、ドア後ろの特等席に座ったお兄ちゃんと席を替わってほしいみたいです。

(これは兄妹ケンカの気配が…)

ちょっとヒヤっとしたのですが、ここで母親登場。

「なら、あと5個バス停を通過したら変わろうね。」
「はーい。」

実に適切な対応で兄妹ケンカを回避です。

そして、5個目のバス停に止まっときに席を入れ替わります。(偶然、このバス停で降車する人がいたのにも驚きましたが…)

いつもなら降車したらすぐ出発するのですが、降りる人を先に通した後に席を入れ替わっていましたので、こちらも入れ替わるのを待ってから発車します。(運行ダイヤにしても何にしてもこれくらいの”心の余裕”が欲しいですね)

そんな感じで30分程度走り目的地に到着。

普段なら運賃をまとめて払う方が多いのですが、やはりここでも「僕が(運賃箱にお金を)入れる!」「私も入れる!」となりました。

「両替でちょっと時間かかるかな?」と思われるシチュエーションですが、親はお見通しだったらしく子供たち用に小銭を用意していたのには感心しましたね。

(今の時代、ICカードでピッとすればまとめて清算が済みますが、子供たちにこうやってお金を入れさせるのもいい社会勉強なのかもしれません。)

そして、降りていく子供たちですが、降りると私を見て「ありがとうございました!」と言ってくれたとのは嬉しかったですね。こちらも「ありがとう。いってらっしゃい!」と自然に声が出ます。

『これが、路線バスの醍醐味だよねぇ』

出発し、サイドミラー越しに子供たちをみながらじみじみ思った今日この頃です。

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