路線バス運転士になった元ウェディングプランナーの乗務日誌

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路線バス運転士こーくんのブログ

路線バスの運転士は怒鳴りたい気持ちを抑えています!

「路線バスの運転士は怒鳴りたい気持ちを抑えています!」と言うタイトルにしましたが、正直、持論ですのでそれを前提に読んでくださいね。

さて、運転士をしていると「好きな路線」「嫌いな路線」と言うものが出てきます。これは「片道30分程度の路線をひたすら往復する」などと言った仕業面ではなく、客層やドライバー層など地域性の部分に左右されるのが大きいですね。

で、今日の担当は一番嫌いな路線でした。(簡単に説明すると東京駅・名古屋駅・大阪駅周辺など人と車が多く行き交う都市部の幹線道路を走る路線と思ってください。)

同じラッシュに乗務してもこのような幹線道路の路線は正直イライラが募ります。と言うのも、地域柄かもしれませんがマナーの悪い車が多いんですね。恐らく、都市部ともなると通勤関連の車が多く、出社時刻の関係から急いでいるからだと思うのですが、それでもひどいものです。

例えば、渋滞でノロノロ運転中、前車との間隔がわずかに開いた瞬間にウィンカーなしで割り込んでくる乗用車、右折の矢印信号が点灯したにも関わらず突っ込んでくる対向直進車、路地から一旦停止なしで飛び出す車、片側一車線の追い越し禁止道路でクラクションを鳴らしながら追い越していく”勘違いした車”など、挙げればキリがありません。(まぁ、交通事故ワーストなのも理解できますが…)

おまけに、ほとんどはサンキューハザードや挙手などのアクションはない”無視”なのでこちらもイライラも募ります。(その点、相手がトラックだと何らかのアクションはあるので”仲間意識”と言う救われた気分になります。)

実際、運転士になる前にトラックに乗っていた時期が少しあるのですが、正直、多少なりともストレスはあったものの、路線バスを運転している今よりストレスは少なかったですね。

運転している環境が異なるのはもちろんなのですが、一般車も大型トラックには怖いイメージがある一方、路線バスは「客相手なので無茶なことはしないだろう」と甘く見ている部分もあるように思います。

(そう言えば以前、『ダンプやセダンにしてこないことを路線バスにしてくるのが一般車』なんてツイートをしてくれた方もいましたね。)

しかし、運転士の中には「えっ!? そちら系の人ですか?」と思いたくなるような風貌の方はたくさんいますし、実際、怒鳴りに行った人もいたとか…

ただ、運転士が「怒鳴りに行く…」と言うと短気で短絡的なイメージを持たれるかもしれませんが、例えば、割り込んだ車を急ブレーキや急ハンドルで回避した時に乗客が転倒してケガをすれば運転士は車内事故(交通事故)として社内外から処分を受けます。

言い方は悪いですが、ラッシュともなれば急ブレーキで吹っ飛んでいく危険のある立客を多く抱えて運転(バス1台に70名以上乗ることもあります)しているので、運転士は「あの車割り込んできそうだな…」「信号黄色になりそうだからアクセルを緩めよう…」「この速度で行けばストップ&ゴーにはならないな…」など色々頭を使って真剣に運転しているわけです。

そのような状況下で、一般車が横着なことをしれくれば「おい! 客が転んだらどうするんだ!!」と怒鳴りたくもなるわけです。(私なんか心の中で怒鳴り散らかしていますが、「ハァ」とため息で終わることも多々)

さすがに乗客や時代背景を考えると”怒鳴る”と言う行為は肯定されるものではありませんが、このような車内事故のリスクを抱えて運転していてもバスは道路交通法では何も保護されていません。せいぜい、バス停からの優先発車と優先通行帯を走行することくらいです。

もちろん、運転士も相応のモラルを持って運転をしなければいけないのが前提ですが、このようなリスクを背負ってバスを運転していることを知るドライバーはほとんどいませんから、その環境を理解して欲しいとつくつぐ感じますね。

ただ、実際は無理でしょうから路線バスの運行を法的に保護するか、鉄道みたいに「賠償を相手方に請求する」と言うスタンスをバス事業者がしっかり行い、それをきっかけにドライバーの意識を高めてもらうなどしてもらわないと、リスクだらけの路線バス運転士は割が合わないのが本音です。

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